第五十三回 西川流 名古屋をどり
昼の部の新作「にんげんだもの」は 、そのかざりのない言葉が多くの人の共感を呼び、没後も絶大な支持を得ている書家・詩人・相田みつをの世界を舞踊で表現。夜の部の新作舞踊劇「泉の姫」は、ファンタジー色あふれるラブストーリー。直木賞受賞作家、皆川博子がはじめて舞踊劇を執筆。泉の世界に水の精の姫と人間の若武者の禁断の愛を描きます。これを人間と人形の共演で、人形師、ホリ・ヒロシが特別出演。その他重厚な古典「今様望月」幻想的な「吉野山」純粋舞踊の「華扇抄」「名扇抄」などを上演いたしました。
平成12年9月二日(土)より11日(月)まで
中日劇場(名古屋・栄)
出演 西川流三世家元 西川右近 他 西川流
特別出演 人形師 ホリ・ヒロシ
【夜の部=新作舞踊劇「泉の姫」若武者役(人形)】
第53回名古屋をどり番組の解説
昼の部 午前11時開演
一、福来恵方乗合船
初春、隅田川の船に乗り合わせたさまざまな登場人物が、名作からの抜粋を踊る芸くらべ。白酒売り、芸者、大工、船頭、娘、女万歳の太夫と才蔵を、それぞれ女役におきかえ、明るく洒落っ気のある作品です。
二、 華扇抄
日本舞踊通お目当てはこの華扇抄。装飾も極限までシンプルに、“素踊り”のスタイルで、純粋舞踊をおみせします。
三、相田みつを作品集より にんげんだもの
“つまづいたっていいじゃないか 人間だもの”“なるべくなら うそのないほうがいい”といった独自のことばで多くのファンをもつ書家・詩人、相田みつを。その書をバックに、長唄、常磐津、清元といった邦楽にのせ、その内容を踊りで表現する、という意欲作。西川右近が作舞、主演。
四、 今様望月
近江守山で宿屋を営んでいる小澤刑部友房(おざわのぎょうぶともふさ)のもとへ、友房の亡き旧主・安田庄司の妻とその一子・花若(はなわか)がうらぶれた姿で現れ、思いがけず再会します。そこに現れるのたのが敵の望月秋長。客としてもてなし、唄や踊りでもてなしたそのスキに花若が仇討ちを果たします。獅子の舞など、能の風格を持った、古典としての見どころ十分な作品です。
夜の部 午後3時30分開演
一、吉野山
吉野山に隠れている源義経を訪ねに行く静御前と、そのお供をする従者の忠信の道行を描いています。義経の身代わりとなって死んでいった兄・継信の、壇ノ浦の合戦を踊りで表現する忠信の踊りなど、舞踊的な見どころも多く、満開の桜咲く吉野山を背景に、風情のある作品です。
二、名扇抄
日本舞踊ファン注目の番組がこの名扇抄。軽妙に風俗を描写する踊りや、しみじみとした作品、ゆったりと優雅な作品など、西川流に伝わる名曲の数々をベテランが踊る名品集です。
三、泉の姫
水の精たちがすむ世界に、戦に傷つき人間界から若武者(人形=ホリ・ヒロシ)が迷い込みます。その若者に心を奪われる泉の姫(西川まさ子)。しかし姫に思いを寄せる泉の男はそれが面白くなく・・・。人と精霊の、禁断の恋を描いた幻想的な舞踊劇。演出・作舞の西川右近が泉の王として出演するのも興味。

名古屋をどり事務所 エ052・831・7106
主催 ◎中日新聞社 ◎名古屋をどりの会
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