第31回名古屋をどり ●【昭和53年9月2日〜17日】16日間
●演目
 谷崎潤一郎作、里見淳脚色、清元栄寿郎作曲、西川右近演出・作舞、土井信策美術「盲目物語」--谷崎文学の舞踊化。西川右近が二役。ほかに西川鯉三郎による特選小品「西川鯉三郎選集」再演の「おもん藤太」「をんな忠臣蔵」など。
●話題
 この回は特別ゲストで当時人気のアグネスラムが出演、西川右近と「秋のしらべ」を踊る。もともとハワイで西川流を学んでいたラムは、後に名取、西川美花となった。
「秋のしらべ」西川右近 西川美花(アグネス・ラム)
●世相
1978年:日中平和友好条約調印、成田空港開港、江川ドラフト問題、ルイ・ヴィトンが西武高島屋に支店を出し、日本進出
左:「盲目物語」
 第32回名古屋をどり ●【昭和54年9月8日〜23日】16日間
●演目
 北條秀司作・演出、杵屋六佐衛門作曲「雪の花」--みちのくに落ち延びた義経と静の愛を描いた幻想的な作品。 西川右近作・作舞・演出・主演、鶴田錦史作曲、奥山景三音楽監修、朝倉摂美術「孫悟空」
●話題
 当時ブームだった西遊記を舞踊化。琵琶やシタールを活用した娯楽作。
●世相 1979年:日本坂トンネル事故、インベーダーゲームブーム、総選挙で自民党敗北・自民40日抗争へ
「西遊記」近藤千雅(西川千雅) 西川右近
 第33回名古屋をどり ●【昭和55年9月6日〜21日】16日間
●演目
 西川右近作・演出・作舞「夢浮世傀儡子噺」(ゆめのきよくぐつばなし)--年老いた人形遣いの哀歓を描いた作品。結城孫三郎が操り人形と共に客演。古典は「紅葉狩」など。
●話題
 ほかに歌謡バラエティー「歌は流れる」では当時ブームのスターウオーズ風や沢田研二のトキオにのって国定忠次のパロディーなど、奇抜な発想が人気に。
●世相
1980年: 富士見産婦人科病院乱診事件、川治温泉でホテル火災、1億円拾得事件、新宿バス放火事件、静岡駅前地下街ガス爆発火災、モスクワ五輪
右:「夢浮世傀儡噺」西川右近
結城孫三郎(人形)
 第34回名古屋をどり ●【昭和56年9月6日〜17日】12日間
●演目
 杉本苑子作、松山善三脚色、渡辺宙明、竹澤團七作曲、朝倉摂美術、西川右近作舞、「白い蓮」--極悪な男が法師の説法を聞き、浄土を求めてさまよう異色作。狂言の茂山千五郎が特別出演。ほかに再演の「八幡鐘」など。
●話題
 この回より西川右近が西川鯉三郎より引き継ぎ主催者となる。
●世相 1981年:神戸ポートピア、福井謙一にノーベル賞、夕張炭鉱ガス惨事、ローマ法王初来日
「白い蓮」茂山千五郎(現・千作) 西川右近
 第35回名古屋をどり ●【昭和57年9月5日〜16日】12日間
●演目
 古典中心の番組。六代目尾上菊五郎ゆずりの「春興鏡獅子」や再演「助六江戸紫」など。主演・西川右近。岸宏子作、瀬戸龍介作曲、西川右近作舞、朝倉摂美術「はしりがねの女」
●話題
 『はしりがねの女』では市原悦子の語りが話題。西川右近が愛知県文化選奨文化賞を受賞。
●世相
1982年:日航機羽田沖墜落「逆噴射」、ホテル・ニュージャパン火災、三越事件、世界初のCDプレイヤーがSONYより発売 語りを担当した市原悦子(左は西川右近)
 第36回名古屋をどり ●【昭和58年9月4日〜15日】12日間
●演目
 「赤い陣羽織」再演。古典「綱館」では西川右近が工藤流家元・工藤扇寿と共演。ほかに六世藤間勘十郎振付「男女道成寺」鯉次郎構成の「百夜菊恋乃通路」「椀久色神送」など。
●話題
 開催前7月31日、西川鯉三郎他界。8月には西川流高弟であり西川鯉三郎のパートナーを多くつとめた鯉次郎も稽古中に急逝。西川右近が家元を継承、三世家元となる。
●世相
「綱館」西川右近 工藤扇寿
1983年:大韓航空機墜落、三宅島大噴火、戸塚ヨットスクール、山陰地方に集中豪雨、NHK連続ドラマ小説「おしん」、東京ディズニーランド開園、任天堂「ファミコン」を発売
 第37回名古屋をどり ●【昭和59年9月8日〜19日】12日間
●演目
 二世家元西川鯉三郎追善公演。松山善三作、常磐津文字兵衛作曲、住田長三郎作調、六世宗家藤間勘十郎振付、水野正夫美術、「痩蛙まけるな一茶是に有り」--継承の会で発表された、一茶の一生を描いた素踊り。山川静夫原案、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作/作舞、長唄「鵜の殿様」--長良川の鵜飼をテーマにした狂言風舞踊。ほかに再演「おもん藤太」田中青滋作「鷺の舞」「女夫狐」など。 NHKの花形アナウンサー、山川静夫の原案を右近が狂言風に舞踊化した
「痩蛙まけるな一茶是にあり」
●話題
 この年3月に「西川右近、三世家元継承の会」を御園座で開催。特別参加として歌舞伎界から中村勘三郎、尾上松緑、尾上梅幸、尾上菊五郎、中村勘九郎らが出演。舞踊界から藤間勘十郎、藤間康詞、西川扇蔵、花柳寿輔、尾上菊之丞、音羽菊蔵、工藤扇寿、赤堀加鶴繪らが出演。また11月には名古屋をどり初のアメリカ公演を行う。テキサス州デントン市、ニューメキシコ州サンタフェ、カリフォルニア州ロサンゼルスの三カ所を渡り、舞踊公演、ワークショップをおこなった。西川右近が中心となって出演のほか企画、制作。
●世相 1984年:グリコ・森永事件、ロサンゼルス五輪・カール・ルイスが金メダル四個獲得、日銀・15年振りに一万・五千・千円新札発行
鯉三郎から右近へ、追善前夜祭
「吉野山」西川右近 尾上梅幸(三世家元継承公演より) 第一回アメリカ公演 ワークショップの様子
 第38回名古屋をどり ●【昭和60年9月8日〜19日】12日間
●演目
 太宰治原作、松山善三作、常磐津文字兵衛作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、赤羽末吉美術「カチカチ山」--「お伽草紙」になじみの童謡をはさんだ意欲作。声の出演に泉ピン子、茂山千五郎。家元の宙ずりも話題に。ほかに「舞芸夢」「歌舞伎絵巻」ほか
●話題
 前夜祭にて前年のアメリカ公演で人気だった“ワークショップ”を行う。観客の前で踊りの歴史から舞台が出来るまでの“メーキング”が紹介された。この時から、西川流に本格的な「ワークショップ」が生まれた。
●世相 1985年:日航ジャンボ機墜落、豊田商事、ロス疑惑、SONY・8mmハンディカムを発売
 第39回名古屋をどり ●【昭和61年9月7日〜18日】12日間
●演目
坪内逍遥原作、松山善三作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞「良寛さんのかくれんぼ」--禅僧、良寛と子供たちの交流を描いた作品。ほかに「松園ゑがく」「身替座禅」など。
●話題
『良寛さんのかくれんぼ』では出演の子役をオーディションで選出。踊りながら唄をうたうという、日舞に珍しい趣向が取り入れられた。
●世相 1986年:三原山大噴火、NASAスペースシャトルチャレンジャー爆発、衆議院議員選挙で自民党が三百議席以上を獲得
「良寛さんのかくれんぼ」
 第40回名古屋をどり ●【昭和62年9月6日〜17日】12日間
●演目
 松山善三作、芳村伊十七作曲、堅田喜三久作調、西川右近作舞、朝倉摂美術「鷹の羽」--西川右近家元の長女まさ子が新作舞踊劇を初めて主演。
●話題
 西川流秘曲初代西川鯉三郎家元振付の「勧進帳」を六世宗家藤間勘十郎監修・振付で102年ぶりに上演。尾上流家元尾上菊之丞が客演。
「鷹の羽」西川まさ子 尾上菊之丞
●世相
1987年:地価の異常、利根川進にノーベル賞、国鉄分割民営化・JR発足、チェルノブイリ原発事故、地球上の人口が五十億人を越える、
「勧進帳」西川右近 尾上菊之丞

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