第41回名古屋をどり ●【昭和63年9月4日〜15日】12日間
●演目
 松山善三作、芳村伊十七作曲、甲斐正人編曲、西川右近作舞、水野正夫美術「やきもち地蔵」--狂言「川上」をもとに、いじらしい夫婦愛を描いた作品。ほかに西川右近構成・作舞「かさ・風浪庵田路」「紅葉狩」ほか
●話題
 この年4月に二度目のアメリカ公演を行う。ブロードウエイのプロモーター=ハロルド・ショウの招聘でカリフォルニア州サクラメントからニューヨーク州ニューヨークまで20日間で10カ所11公演、大陸横断の大公演となった。
「やきもち地蔵」別写真
●世相 1988年:リクルート疑惑、青函トンネル・瀬戸大橋が開通、イラン・イラク戦争、東京ドーム完成
 第42回名古屋をどり ●【平成元年9月9日〜20日】12日間
●演目
 西川鯉三郎の七回忌をしのんで西川鯉三郎選集を上演。松山善三作、芳村伊十七作曲、常磐津紫弘作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、水野正夫美術「ぼうふら」--蚊の一生を描いた異色の舞踊劇。
●話題
 「ぼうふら」という独特のテーマ、巨大な魚などの美術、長唄・常磐津合奏の演奏家が回転舞台で表れる大スケールの演出が話題に。
●世相
1989年:消費税3%スタート、昭和天皇死去、ベルリンの壁崩壊、天安門事件
「ぼうふら」
「ぼうふら」小道具合わせ(後ろに製作中の魚が見える)
 第43回名古屋をどり ●【平成2年9月8日〜19日】12日間
●演目
 松山善三作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、水野正夫美術「この子の可愛さ限りなし」--山本由也の操り人形、ジャズダンサーとの共演の野心作。「女親分」を18年ぶりに再演。
●話題
 「トワイライトシアター」と名付けて、開催中二日間、夜七時からの公演を行なう。
●世相 1990年:平成天皇が即位、東西ドイツ統一、東京放送の秋山豊寛が日本人初の宇宙飛行士としてソ連船のソユーズTM11号で宇宙に、国際花と緑の博覧会、バブル崩壊
 第44回名古屋をどり ●【平成3年9月8日〜19日】12日間
●演目
 松山善三作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、水野正夫美術「狐百相〜おばけのせかい」--お化けの世界を描く。志多ら太鼓との共演、スーパー一座原智彦客演。「紀州道成寺」を継承いらい再上演
●話題
 開催中家元が新作上演中、足の骨にひびが入る事故。“新作は代役がいない”と残りの日々を痛みを押して出演。「紀州道成寺」は茂太郎が急きょ代役をつとめる。
●世相 1991年:雲仙・普賢岳で火砕流、湾岸戦争
 第45回名古屋をどり ●【平成4年9月6日〜17日】12日間
●演目
 松山善三作、本條秀太郎作曲、西川右近作舞、水野正夫美術「雨の降る日の地蔵様」ラップと民謡が斬新な異色作。「棒しばり」を長寿、鯉右、茂太郎、鯉之祐出演で。
●話題 ●世相
 開催前日に西川右近が緊急入院。西川右近の長男、千雅が新作を代役。「棒しばり」を高弟の長寿、鯉右、茂太郎、鯉之祐らで代役をつとめた。西川流の結束のかたさ、実力層の厚さが表れる公演となった。 1992年:PKO協力法案成立、スペースシャトル・エンデバーで毛利衛が八日間の宇宙飛行、竹下「ほめ殺し」
「雨の降る日の地蔵様」
 代役の西川千雅
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右近休演を伝える新聞
 第46回名古屋をどり ●【平成5年9月4日〜15日】12日間
●演目
 松山善三作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、水野正夫衣裳、安野光雅美術、新作素踊り「はるなつあきふゆ」西川右近作「鵜の殿様」を千雅、鯉之祐、鯉之亟で再演。歌謡バラエティー「歌は流れる」が13年ぶりに復活。
●話題
 西川右近が前年の手術をのりこえ舞台復帰。
●世相 1993年:細川連立内閣発足、北海道南西沖地震、天皇沖縄訪問、皇太子結婚、日本のプロサッカーリーグ・Jリーグ開幕、レインボーブリッジ開通
「はるなつあきふゆ」
 第47回名古屋をどり ●【平成6年9月3日〜14日】12日間
●演目
 江戸川乱歩原作、久世光彦作、大和久満作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、朝倉摂美術「蔵の中〜うつし世は夢」--人形を愛する男と妻の苦悩を描く。西川右近が乱歩の異常世界に初挑戦。ほかに「八幡鐘」再演「鳴神」「釣女」など古典が充実。
●話題
 名ディレクターで執筆活動も多忙な、久世光彦氏と右近が初めてコンビを組み、江戸川乱歩の世界を舞踊化した。
●世相
1994年:非自民政権崩壊、自民・社会・さきがけの連立政権誕生で村山社会党委員長が首相に、日本初の女性宇宙飛行士・向井千秋が宇宙飛行、松本サリン事件、
右:「蔵の中」西川千雅 西川右近
 第48回名古屋をどり ●【平成7年9月9日〜20日】12日間
●演目
 先代西川鯉三郎家元の13回忌追善。北條秀司作、野澤喜左衛門作曲、清元栄寿郎遺曲、富崎冨美代作曲、住田長三郎作調、西川鯉三郎作舞「仇ゆめ」。遊女に恋心を描く狸の奮闘を描いた悲喜劇。ほかに西川歌舞伎「助六江戸紫」、「おもん藤太」再演。
●話題
 「仇ゆめ」は名古屋初演。東京初演時は日生劇場で西川鯉三郎、中村勘三郎、尾上松緑、長谷川一夫の共演が話題となった舞台。作者の北條秀司は上演を快諾、プログラムに先代の追悼文を寄稿したが、その翌年に天寿を全う、帰らぬ人となった。
●世相
1995年:阪神大震災、地下鉄サリン事件に伴いオウム真理教が摘発、「もんじゅ」ナトリウム漏れ事故、microsoft社が新型OS「Windows95」を発売、
「仇ゆめ」
 第49回名古屋をどり ●【平成8年9月7日〜18日】12日間
●演目
 市川森一作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、西川右近作舞、朝倉摂美術「唐人凧」--江戸時代の長崎を舞台した丸山遊女と唐人の交流を描いた舞踊劇。家元が初の唐人役を主演、胡弓を加えた中国風の邦楽や、凧合戦の踊りなど様々なアイディアが盛り込まれた舞台となった。長田午狂作「小袖曽我」再演。これは西川右近の名披露に作られた作品。ほかに狂言ふう「身替座禅」バラエティーを持たせた小品集「春夏秋冬」。
●話題
 この年『唐人凧』で初めて、大河も手がける人気脚本家・市川森一氏と組み、舞踊劇を発表した。
●世相
1996年:O-157の流行、薬害エイズ訴訟、豊浜トンネル岩盤崩落事故、マクドナルド・期間限定で80円ハンバーガーを発売
「唐人凧」
 第50回名古屋をどり ●【平成9年9月6日〜17日】12日間
●演目
 第50回記念公演。松山善三作、芳村伊十七作曲、住田長八郎作調、松山修ドラム、西川右近作舞、朝倉摂美術「いろはにお宿」「ちりぬるお宿」昼夜連作の形式をとった特別番組。記念公演らしく、柴田有宏作、清元榮三郎作曲、鯉三郎振付「狐ばなし」。
●話題
 第五十回の記念公演を迎え、四十五回の舞台では果たせなかった、右近・松山コンビで話題作を創作。昼の部と夜の部の上下連作が話題となった。西川流高弟のオールスター出演による、お宿を舞台にしたサスペンス仕立ての喜劇。ドラムの起用や、大太鼓、傘の毬回し、殺陣など舞踊以外の要素を取り入れた娯楽作。
●世相
1997年:ペルー日本大使公邸人質事件、神戸小学生殺害事件、ダイアナ事故死、香港返還、山一証券・北海道拓殖銀行破綻
「いろはにお宿」
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