料亭とは
季節に適した食材、器が会席料理で提供される飲食店。
お客様の食事の趣旨、季節に添った室礼(しつらい=掛け軸、花などの空間演出)も行う。
芸事の鑑賞も可能であり、日本庭園、数寄屋建築の建物など、日本文化の集大成を堪能できる場所でもある。
給仕をする人は、女将、若女将などがおり、女性で主に料理の配膳を行う人は仲居(なかい)さん、男性は仕給師(しきゅうし)さん などと呼ぶ。
お店の大半に服装の規定(ドレスコード)があり、主には素足や香水などを控えるようにお願いしている。
また、お客様同士が会われないように配慮をしていたりと個々のお客様に寄り添ったサービスをしている為、通い慣れるほどに使い勝手の良さを感じられる飲食店。
お座つき・お座付(おざつき)
お客様のお座敷(宴席)に入っている芸者衆が、食事の途中で披露する季節の踊りや、会食の趣旨に添った唄などを披露すること。
「お座敷をつける」から。
一見(いちげん)
その料理屋の馴染み客ではない、初めてのお客様のこと よく「一見さんお断り」といいますが、現在の名古屋の料亭では聞かなくなりました。
芸者を二次会、三次会へと連れ出される場合、その際に利用されたお店の代金や芸者に支払う花代を一次会で利用した料亭が全て取りまとめてお客様に請求する場合があります。
全てを肩代わりする信頼のおけるお客様かどうか、ご紹介者様を通じて料理屋が確認をしていた時代があります。
お茶を挽く(おちゃをひく)
お座敷(宴会)に声がかからず、芸者の仕事がなくお休みしていること。
芸者への座敷の依頼は、馴染み客であれば直接頼む場合もありますが、基本的には利用をされる料亭に食事の予約をされる際に一緒に依頼をします。
花柳界(かりゅうかい)
芸者の世界を指す言葉 。
「花紅緑柳(花は紅、柳は緑)」唐の詩人・王勃(おうぼつ)が、美しいものを詠ったこの言葉が由来。
芸者
芸妓さん舞妓さんの総称 芸妓(げいこ)は(げいぎ)とも呼ぶ場合もあり、舞妓は半玉(はんぎょく)と関東地域では呼ぶ場合もある。
食事の最中は飲み物の給仕をお手伝いし、食事の途中で舞踊や唄、鳴り物で宴席に華を添え、客をもてなす女性のこと。
男性の芸者は、幇間(ほうかん)と呼ばれる。
幇間は、全国に約10名ほどとかなり減っているが、名古屋には1人存在する。
置屋(おきや)、お茶屋(おちゃや)
舞妓の所属する事務所的なところ あるじは「お母さん」と呼ばれ、芸の育成を行いつつ、生活の一切の面倒を見る。
よほどの馴染み客であれば、座敷に芸者を呼ばすに置屋にだけ行く事が許される場合もある。
名古屋には置屋、お茶屋はなく検番が事務所の役割を担う。
検番(けんばん)
置屋を統括、運営する組織。
名古屋は名妓連(めいぎれん)組合の事務所として稼働し、座敷の予約などを受ける。
生活の場ではなく、お稽古場として利用している。
花代(はなだい)
芸者に支払う料金のこと。玉代(ぎょくだい)、線香代(せんこうだい)と言う地域もある。
別途お車代などが請求される場合もあるが、名古屋は全て含めた金額で提示される。
心付けについては、お客様のお気持ちに任せている。
立方(たちかた)
お座付きで、日本舞踊を踊る芸者のこと。
地方(じかた)
長唄や清元などの唄、語りや三味線や鳴り物の演奏をうけもつ芸者のこと。
熟練の芸妓が担う事が多い。
千社札(せんじゃふだ)
芸者の持つ名刺代わりのシール。
財布に貼るとお金が舞い込(舞妓)む、名刺入れに貼ると出会いが舞い込(舞妓)む、と言われている。
芸妓の物は効果が高く、もっと舞い込む(元舞妓)と言われる。
現在では禁止されている所が多いのですが、江戸時代中期以降に、神社や仏閣に参拝を行った記念として、自分の名前や住所を書き込んだ裏に糊の付いた紙を貼っていたことが起源。
襟替え(えりがえ)
舞妓、半玉が一人前の芸妓になること。